過去を感じながら未来へ繋ぐ特別な空間

セレクト雑貨と服飾&オーガニックコスメのお店
idea note
小林優子さん

タグ:#物件を借りたい  #商売を始めたい

近江八幡市の旧市街は、近江商人の屋敷やヴォーリズ建築などが軒を連ねる歴史的なエリア。そんな場所を「残す」だけでなく、「活かす」ことで、地域の賑わい創出を目指そうと

始まったのが「近江八幡まちや倶楽部(以下、まちや倶楽部)」です。2012年6月、廃業した酒蔵を拠点に本格的な活動をスタートさせ、2017年には使われなくなった町家や蔵を店舗スペースへ改修し貸し出すことを事業として開始しました。今回は、まちや倶楽部内に店舗を構えた第一号である、セレクト雑貨と服飾&オーガニックコスメのお店「idea note」の小林優子さんにお話を伺いました。

(取材・撮影:渥美 勉 /ライティング:熊谷 あずさ)

「街並み、空間、全てが気に入りました」

ーーまちや倶楽部に出店を決めたきっかけは

小林さん

「オーナーの宮村さんと2016年に知り合いました。すでに近江八幡の旧市街地でお店をやっていたのですが、諸事情があり、次のテナントを探さなければならず色々探していたんです。せっかくなら雰囲気のある場所でやりたいなと。

街並みや空間を含めてのお店だと考えていたので、見た瞬間ここだ!と思いました。それで宮村さんにテナントとして入れないか聞いてみたんですよ。初めは貸す予定はなかったらしいんですが、色々話をする中で貸し出すことを前向きに検討してくれました。とても柔軟な方だなぁって思いました」

ーー今のように店舗が入っていないまちや倶楽部は想像できないですね。どんな雰囲気だったんですか?

店舗改装に向けて、日頃から応援してくれている友達と一緒に、職人さんに教えてもらいながら、お店の壁の漆喰塗りをした

小林さん

「写真のとおり、元々は住宅兼事務所だった場所からのお店づくりは、とても難しくまさにゼロベースのスタートでした。そこから、宮村さんや、建築デザイナーさん、職人さん、そして日頃から私のお店を応援してくれている友人たちと一緒に、この場所の良さを残しながら、より魅力的な空間にするにはどうしたらいいか考えて、かなり自由にお店づくりをさせてもらいました。今のお店でも、よく見ると昔使われていた扉とかガラスとかを使っているんですよ」

当時のまちや倶楽部はまだ宮村さんが始めた宿泊施設のみで、店舗スペースはなかったものの、小林さんの“旧市街の雰囲気や建物の趣を残しながら活かしていきたい”という想いが宮村さんと同じだったため、安心して貸出を決めたそう。

idea noteの店舗内、右奥の扉は前からあったものを再利用

「地元の人の応援もあり、すぐ馴染めました」

オリジナル商品の男性向け化粧水『イデアース オトコマエローション』を紹介してくれた。お店の中は心地よい香りで包まれている。

ーー出店にあたって不安などはありませんでしたか?

小林さん

「むしろ温かさを感じましたね。地域の方も新しいことをここでしようとしている人を気にかけてくれます。何者かわからない私に、おじいさんとかが“よう頑張ってんな”って声をかけてくれて。

宮村さんや私と地域の人たちとの間に、一緒に地元の賑わいづくりをしていけたらいいな、という雰囲気ができてきているのだと感じました。

そのおかげで地元の人とも少しずつ溶け込むことができ、お祭りに呼んでもらえるようにもなったんですよ。まちや倶楽部でお店をすることになって、地元の方と私との間で繋がりができていって、ありがたいと思っています」

地域活性化になればとの願いや志を同じくする人々との活動や実践が、地元の人の信頼や応援に繋がっているのではないだろうか。

「古いものを大切にしながら活かしていきたい」

ーー店舗を借りたい人へ向けて

小林さん

「近江八幡の魅力を分かってくれて、雰囲気が好きという方向性が同じだからこそ新しいものが生まれ、良い化学反応が起きていると思います。古いものを大切にしながら、活性化させるって、なかなかできないことだと思うんです。

そういった意味でも、宮村さんに相談して、まちや倶楽部へ出店することで巡り合った多くのご縁に感謝しています。古いものを大切にしながら新しい挑戦をしたいといった想いをお持ちの方には近江八幡はピッタリだと思います。困ったことがあったらお互いに協力しつつ、いい距離感で、この街を一緒に盛り上げてくれる仲間が増えたら嬉しいです」

取材日が偶然誕生日だった宮村さん(右)にオトコマエローションをプレゼントする小林さん

<店舗情報>
セレクト雑貨と服飾&オーガニックコスメの店「idea note」
〒523-0862 滋賀県近江八幡市仲屋町21 近江八幡まちや倶楽部2F

営業日はInstagramをチェック
https://www.instagram.com/idea_note

公式サイト
https://ideearth.com

オンラインストア
https://ideearth.base.shop

取材・撮影:渥美 勉ライティング:熊谷 あずさ

志やその活動に共感したからこそ建物を託せた

近江兄弟社ヴォーリズ記念館
藪秀実 館長 さん

タグ:#物件を貸したい #物件を売りたい

近江八幡市旧市街で歴史的な建物の保全活用を通じて、地域の賑わい創出を目指し活動する近江八幡まちや倶楽部(以下、まちや倶楽部)」。2012年6月から活動を始め、建物を「残す」だけでなく「活かし」ながら、地元の魅力を発信しています。廃業した酒蔵を貸スペースや宿泊施設などの複合施設に改修し、観光客やイベント会場として多くの方に利用されています。そんなまちや倶楽部の活動の1つが、近江兄弟社が保有するヴォーリズ建築「ウォーターハウス記念館」の活用です。見学ツアーや1棟貸しの宿泊、イベント利用もできると話題になっています。

(取材・撮影:渥美 勉 /ライティング:熊谷 あずさ)

 

「近江八幡の魅力を活かしたい」

ーーヴォーリズ建築として有名な「ウォーターハウス記念館」ですが、活用で悩まれていた時期があるとお伺いしました。

藪館長

「ウォーターハウス記念館は、キリスト教の伝道活動をする為に近江八幡に来たP.B.ウォーターハウス一家が住んでいた洋館で、アメリカの伝統的な建築様式が特徴です。近江八幡は散策すると酒蔵や商人屋敷などの日本家屋に加えて、ヴォーリズ建築の洋館も一緒に見ることができます。このように和洋の歴史を感じられる街はとても貴重だと思います。

ウォーターハウス記念館は大正2年(1913年)の建築で、平成21年には老朽化した箇所の修繕が行われ、登録有形文化財に登録され、歴史的建築物として認知されています。ですが、正直なところ、上手く活かしきれていないなと課題を感じていました」

町の観光スポットとしてPRできるほど立派な建物があるにも関わらず、有効な活用が見いだせず困っていた際、思い切って宮村さんに相談してみたのだそう。

ウォーターハウス記念館の外観。写真中の左隣の建物もヴォーリズ建築(吉田邸)

「一緒に課題に向き合ってくれて、頼って良かったです」

ーーどうして宮村さんに相談したのでしょうか?

藪館長

「近江八幡の賑わいづくりに役立てばと活動する姿を宮村さんのお父様の時代から見ており、その考えに共感していましたし、宮村さんもその意思を引き継いで活動されていたからです。

実際相談してみると、建物の物語はしっかりとあるし、見学ツアーや宿泊を行えば、多くの人に楽しんでもらえて、近江八幡をアピールできると色々アイデアを考えて下さいました。

当初は、宿泊と見学ツアーは両立できるのかなと心配もありましたが、”チェックイン、アウトのタイミングを調節して見学ツアーをすれば大丈夫ですよ”と違った視点をもらい、可能性が一気に広がりました」

宮村さんの考えや、これまでのまちや倶楽部の活動を見てきて共感できたからこそ、安心して貸すことができたという。

 

光が燦々と降り注ぐ大きな窓や暖炉が特徴のヴォーリズ建築

ドアノブも特徴の1つ。1913年の建築当時のまま残されている

「熱い思いとこれまでの10年以上の活動も心強いです」

ーー建物を貸したい人、売りたい人へ向けて

藪館長

ウォーターハウス記念館の歴史、魅力を全て理解した上で、この建物を残しながら活かしたいという熱い思いが伝わってきたからこそ、安心して宮村さんに貸し出すことを決めました。

物腰は柔らかだけれど、実際に話すと熱くて芯の通った方です。そんな方だからこそ、これからも応援したくなるし、柔軟で新しい彼の考えで、近江八幡市の賑わいづくりにも繋がっていくのではと期待しています。

 建築当時のウォーターハウス記念館(写真提供:公益財団法人近江兄弟社

<建物情報>
ウォーターハウス記念館
〒523-0877 滋賀県近江八幡市池田町5丁目21

公式サイト
https://waterhouse-kinenkan.com

Instagram
https://www.instagram.com/waterhouse_kinenkan

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取材・撮影:渥美 勉ライティング:熊谷 あずさ